訴えることが不法行為と認められたパワハラ訴訟。~かなり珍しい例~

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パワハラ巡る訴訟、先に訴えた大和市の前市長に慰謝料支払い命令…提訴自体が「不法行為」

2023/07/29 18:11スクラップ

 パワハラ行為に関する発言を巡り、神奈川県大和市の大木哲前市長(74)が元副市長の金子勝氏(66)に慰謝料や謝罪広告掲載を請求し、金子氏が反訴した訴訟で、横浜地裁は28日、大木前市長のパワハラ行為を認定し、請求を棄却した。大木前市長には金子氏への慰謝料など264万円の支払いも命じた。

 判決では、大木前市長が2019年夏の災害対策会議で発言した内容、 叱責しっせき などを職員に対するパワハラ行為と認定。金子氏の「大木前市長が職員に降格人事を示唆した」などの主張について、藤沢孝彦裁判長は「違法行為、過失は認められない」と判断した。大木前市長が「パワハラは 捏造ねつぞう で政治的攻撃が目的」と21年6月に提訴したこと自体が、不法行為と指摘した。

 判決後、金子氏は「現実を理解した判決。大和市は健全な行政組織に生まれ変わってほしい」と話した。一方、大木前市長の代理人弁護士は「あまりに意外な判決。判決文をよく精査したい」とコメントした。

【解説】提訴自体が不法行為と認定した事例は珍しい。

この事例では、原告の行為にパワハラがあったと認定し、提訴自体が不法行為としていることが珍しいものです。

しかし、多くのハラスメントの事例を扱っていると、逆恨みで訴えてしまい、逆に跳ね返されるということが起こっても、不思議ではないと感じています。

私は、良く、「ハラスメントをあえてさせて、証拠を集める方法もある!」とアドバイスすることもありますが、それは、ハラスメントする側が無意識無自覚にやっている習性を利用するものです。

このケースは、前大和市長が、「私は悪くない/悪いのは、あなた」と、裁判で訴えたケースですが、それによって返り討ちにあってしまっただと思います。

感情とパワー(=この場合は市長という立場)で根拠なく訴えたために、かえってハラスメントが司法の場で明らかになったというケースではないかと、私は思います。