「かわいい」は、セクハラになるのでしょうか?
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目次
「かわいい」だけではセクハラにならない。
職場の中で、「かわいいね」「きれいだね」「○○ちゃん」など、褒めたつもり、親しみを込めていったつもりの言葉が、セクハラ!と捉えられてしまい、戸惑ったり、場合によっては怒ってしまったりするケースをよく見かけます。
しかし、セクハラかどうか・・・という点からみると、これらの言動そのものがセクハラと言う事は難しいのです。ここには、相手が嬉しく感じるか、不快に感じるかという問題があります。
セクハラかどうかの線引きは、言われて、嬉しいか/不快か
ハラスメントの心理から見ると、セクハラの言動が「一方的で」「自分だけが優位に立とうとする(自分だけが心地よい)」動機で成り立っていることが良く分かります。
聞いて不愉快という事は、まさしく一方的であり、「気持ちを分かっていない/気持ちを分かろうとしない」ということなのですが、実は、セクハラ言動をしている人は、それに気づいていません。そして「己だけの快楽」に相手を支配しようとします。
性的言動には「快楽を得たい」「思い通りにしたい」という欲求が潜んでいます。この欲求を満たすために、一方的な性的言動を自己正当化しつつ、セクハラ行為に及ぶのです。
では、職場のセクハラはどうでしょうか。職場においては「業務」がありますので、欲望むき出しの性的言動が、堂々とされることはごく稀です。
しかし、職場はストレスの巣窟でもあります。ストレスは劣等感を呼び覚ましやすい環境を作り、それが一方的なコミュニケーションの環境=ハラスメントが起こりやすい環境を作っていくのです。
つまり、セクハラの言動は、ストレスから性的な劣等感を刺激されて、なされるものです。
性的な劣等感があるからこそ、無意識に無自覚にセクハラをして、性的欲求を満たそうとします。性的欲求とはいわゆるセックスや性器に関する欲求だけでなく、「男らしさ」「女らしさ」の部分も含まれます。
そして、これらの性的欲求には、自分の性的PRも含んだ動機が隠されていることが多いのです。ですから、動機と戦略(言動)で見ると、以下の表が出来上がります。
性的立場 | 動機/戦略(言動) |
---|---|
男性の場合の例 | 俺は(男として)凄い!/凄くないのはあなた 俺は(男として)凄い!/凄さを認めないあなたは間違っている あなたは(女としての)魅力が無い/男の俺に従え! 俺の魅力に気づけ!/褒めてやる |
女性の場合の例 | 女の私の気持ちを分かれ!/分からないあなたは悪い 女の私の気持ちを分かれ!/分からないあなたは間違っている 私を(女として)認めろ!/認めないあなたは悪い 私を(女として)認めろ!/認めないあなたは、間違っている。 私の魅力に気づけ!/褒めてあげる あなたは(男として)魅力がない/女の私に従え! |
そうそうそう! そうなんだよね~!と思った方も多いのではないでしょうか。
これらを見ると、劣等感を隠して、性的言動で自分だけが優位に立とうとしているのが、分かります。もちろん、これらの動機があっても、言動の受け手が心地よく感じることもあります。
つまり、セクハラは、言った言葉が「嬉しく思うか」「不快に感じるか」で大きく分かれるのです。
不快な言動の共通点は「気持ちを分かろうとしない」
不快感を与える言動の共通点は、「相手の気持ちを分かろうとしていない」というものがあります。
「かわいい」や「綺麗だね」といった誉め言葉がなぜ、セクハラになってしまうのかというと・・・相手の気持ちを分かろうとせずに誉めているからに他なりません。
要は、褒めを一方的に押し付けているのです。人は分かって欲しい「褒めポイント」が必ずあります。
人には、分かって欲しい気持ちがあります。でも、現実には気持ちが分かってもらえないままコミュニケーションをとっていることが多いのです。
- 「わかって欲しい」ことは何か?
- 心 感情 気持ちをわかって欲しい
- 「認めてほしい」ことは何か?
- 存在 成果、誇り、出来たこと、やれたこと。
- 「かまって欲しい」ことは何か?
- 見てて欲しい、同情、注目してほしい、関心持ってほしい
- 「思い通りにしたい」ことは何か?
- 自由に意思決定したい! 指示しないで! 規制しないで! 禁止しないで!
特に、気持ちを分かろうとすることは、とても大事です。性が違えば、不快になるポイントが違います、そこに思いを馳せずに、褒めてほしいポイントを分かろうとせずに褒めることで、知らず知らずのうちに不快感を与えてしまうことがあるのです。
ですから、相手の気持ちを分かろうとせずに言った「かわいい」はセクハラになる可能性が高いのです。
余談・・・趣味でオーケストラの曲を作っています。この曲を聞いて、ハラスメントの嫌な気持ちを癒していただけたらと思います。
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ちなみに、私たちのハラスメント研修の内容を動画として公開していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
大事なことは、相手の気持ちを 知って、分かって、認めてあげることです。自分から相手の良いところを見つけて、素直に褒めることが大事なのです。
ハラスメントの言動は、強がり、かっこつけて、自分を正当化し、強制的で無理やりに頭ごなしに押し付けるコミュニケーションに他なりません。
つまり、「良いカッコしい」が不快感を与えるコミュニケーションとなり、ちょっとした誉め言葉がセクハラと捉えられてしまうのです。
しかし、多くの相談に対応してきた経験から、セクハラと捉えることに問題があるケースもあります。そういうことも踏まえ、セクハラ対応でお悩みの企業様は、是非、私たちにご相談いただければと思います。
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