パワハラの録音を公開します。
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目次
パワハラの録音を、実際に聴きたい人は多いのだが・・・・
実際のパワハラの実態を知りたい! パワハラの録音を聴きたい! どうやって録音すればいいの?ということを思う人はたくさんいると思います。
実際に私が勝手に命名した
パワハラ録音神話
は、巷ではまだ生きていて、パワハラを証明するには、録音が有効!という考えが世間では蔓延っているのが現状です。だから、パワハラに対する録音の興味は、未だに衰えません。
しかし、私自身ハラスメントと闘った経験があり、その体験を本にし、パワハラ無料相談と、企業向けハラスメントコンサルタントを行っている身としては、率直に言って、録音は「未然防止」にも「再発防止」にも役立たないと感じています。
ハラスメントで重要なのは、2度と起こさせない!ということなのです。
その観点で、パワハラに対する録音について、述べたいと思います。
パワハラの録音は、本の出版の助けになった。
私は、自分のパワハラ体験でこういう本を出しています。
実際にこのパワハラについて、以下の書評も新聞でいただいております。
原田芳裕著「パワハラ地獄敢闘記」職場での被害赤裸々に
上司からパワーハラスメントを受けた30代の著者が、どう会社や上司と向き合い、取り組んできたかを記した貴重なドキュメンタリーだ。
弁護士や社会保険労務士によるパワハラ対策本はあるものの、被害者が実際に受けた体験を赤裸々につづった作品は珍しい。上司に恫喝されたときの心理状況は、被害者本人にしか書けないリアリティーさがある。読み進めているうちに、「もうそんな会社辞めてしまえよ」と言ってやりたくなる。しかし、雇用状況は悪い。いったん離職してしまうと、再就職は困難だ。何とか、この会社で働き続けたいと願い続けた著者の思いは、パワハラ上司に木っ端みじんにされてしまう。雇用トラブルがこじれた場合、孤立した労働者にどんな対処法があるのか。著者は、労働組合に加入→労使交渉→労働審判とたどり、その場面ごとに反省を踏まえたアドバイスを添える。パワハラに挑み続けた不屈の会社員の記録だが、深刻な不況にさらされる企業の吐息も聞こえてくる。
著者は現在、愛知県でパワーハラスメント防止対策コンサルタントを務める
(神戸新聞2014年7月14日朝刊より)
私が受けたパワハラの録音を一部公開します
ここまでリアルな描写ができる本も少なく、そして、そのリアルさを表現できる基礎となったのが、膨大な録音です。その記録を一部公開します。
このように、膨大な録音があるからこそ、実現可能だった本だとも言えます。
ただ、録音があるから、ハラスメントが証明ができるかと言うと、そうではないのです。難関なのは「文字化」です。文字起こしをしないと、ハラスメントの録音は証拠としての価値が無いのですが、これが非常に手間暇のかかる問題でして・・・「いつ」「どこで」「誰が」「どのように言ったか」を整理化する必要があります。
ですから、私自身は自分がハラスメントの録音をとって、労働審判までやって、本まで起こしたから分かるのですが、「録音って、ハラスメント防止から言うと、ほとんど役に立たないなあ~」なのです。
録音は、文字起しまでする必要があるから大変!
パワハラの録音は、文字起しまでする必要があります。なぜなら、一聴では明らかなパワハラと認められる録音というのは、非常に少ないからです。また、判例によっては、わざと怒らせて、それを録音として取っていた事例もあります。しかし、それは非常に大変な作業です。この本の具体的な記述も、録音の文字起し作業があればこそなのです。
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録音は、パワハラ防止の観点からいうと、頼りにすべきではない。
実際に私自身はハラスメントの相談も受けていますので、録音をする人のほとんどが「損害賠償を請求したい」「相手に謝罪させたい」という動機で相談されることが多いのです。
しかし、各ハラスメント防止法(パワハラ セクハラ マタハラ)は、
- 未然防止
- 再発防止
を徹底することを義務付け、事業主が講ずる措置に協力することを労働者に義務付けています。具体的なところは、以下の通りです。
- 未然防止(厳罰化と社内周知)
- 1 事業主の方針の明確化及びその周知・啓発
- ⑴ 職場におけるハラスメントの内容・ハラスメントがあって はならない旨の方針を明確化し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
- ⑵ ハラスメントの行為者については、厳正に対処する旨の方針・対処の内 容を就業規則等の文書に規定し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
- 1 事業主の方針の明確化及びその周知・啓発
- 再発防止(相談窓口の設置と、相談に対する適切な対応)
- 2 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
- ⑶ 相談窓口をあらかじめ定めること。
- ⑷ 相談窓口担当者が、内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。 また、広く相談に対応すること。
- 3 職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
- ⑸ 事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
- ⑹ 事実確認ができた場合には、速やかに被害者に対する配慮の措置を適正に行うこと。
- ⑺ 事実確認ができた場合には、行為者に対する措置を適正に行うこと。
- ⑻ 再発防止に向けた措置を講ずること。(事実が確認できなかった場合も同様)
- 2 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
つまり、ハラスメント防止法は、ハラスメントの録音の存在をもって、事業主や相手に損害賠償や謝罪を求めることを是と考えていないのです。
基本的には、ハラスメントは普段の努力で無くしていくものであり、相手への謝罪や賠償を正当化するためのものではないのです。
まとめ 録音が無ければハラスメントを証明できないという時代は終わった。
ハラスメント防止法の制定と施行は、「録音がなければハラスメントを証明できない」という時代を終わらせました。それはまた、「録音さえあれば良い」という時代を終わらせたのです。
これからの時代は、会社がキチンとハラスメント防止法に則って、ハラスメント防止措置を行っているかどうかなのです。
この点を踏まえて企業の方も労働者の方も心得ていただければと思います。
ハラスメントへの対応で困っている企業様は、私たちに是非ご相談いただければと思います。
ご相談は、以下のメールフォームからできますので、よろしくお願いいたします。
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また、私たちのハラスメント研修を動画として公開しております。参考に、ぜひご覧ください。