クレーム対応の基本とは、どういうものでしょうか。
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クレーム対応が苦手で、いつもどうしていいのか、分からない・・・・と言う方も多いのではないでしょうか。
今回、私たちがパワハラ、セクハラなどのハラスメント個人相談(ハラスメント個人相談もクレームも、本質的には同じだと私たちは考えています)から導き出したクレーム対応の基本について、お伝えしたいと思います。
クレームに対応するための5つの基本
業務において、クレームに対応することは不可欠です。そして、普段の生活でもクレームに対応しなければいけない時もあります。
しかし、クレームは率直に言って、逃げたい避けたい人も多いのではないでしょうか?
だから、カタチだけも、いち早くクレームを解決をして・・・ほっ💛と安心したいという方も多いと思います。
だから、クレームに対して「カタチだけ解決」をしているケースは、とても多いのです。
クレーム「カタチだけ解決」とは・・・
定義
クレームの背景にある不安・不満・不快・不便を聞き出さないまま、解決策を講じることで、不安不満不快不便を解消したというカタチを作って、一方的に解決とすること。
その結果、クレームを言っているお客様の不安不満不快不便は解消されないまま、不信感へと繋がっていく
定義者…原田芳裕..つまり私が定義しました。
この「カタチだけ解決」の問題は、クレームに潜む分かってほしい気持ちを知ろうとしないまま、独りよがりに「ああだろう」「こうだろう」と想像をしながら、「これでいいだろう」と妥協し、解決を図ろうとします。
しかし、これではクレーム=問題の本質を捉えることから逃げたまま、解決を図ることになるので、お客様のモヤモヤ感は増幅し、疑問点があっても一方的に「これで問題はありません」と、一刀両断に自己正当化して完結させられるので、不信感をより募らせてしまいます。ですから、クレーム対応で犯す間違いは、以下のようになります。
クレーム対応で犯す間違いポイント
- お客様の不安・不満・不便・不快を聴かない、若しくは聴くふりをしている。
- (不安・不満・不便・不快)に対して、どういう状態になれば安心・満足・便利・快適になるのかを、お客様の口から聞き出していない
答えは、クレームを言うお客様の中にある。だが「カタチだけ解決」は、お客様の気持ちと向き合っていないことが問題!
この間違いポイントをやっていると、トラブルが大きくなり、怒りが拡大する可能性が高くなります。
つまり、クレーム対応の大基本とは、①お客様の不安・不満・不便・不快をしっかり聴き、②どういう状態になれば安心・満足・便利・快適になるのかを導き出す、の2点なのです。ここから導き出される、クレーム対応4つのステップと1つの心構え(クレーム対応5つの基本とも言う)は、以下になります。
クレーム対応5つの基本(4つのステップと1つの心構え)
【クレーム対応4つのステップ】
- お客様の不安・不満・不便・不快をしっかりと聴きだす
=問題を明らかにする - どういう状態なら、不安・不満・不便・不快が解消され、安心・満足・便利・快適と言えるのか
=解決の到達点を導き出す - 解決するためには、どういう方法・手段が実現可能か?
=解決するのための方法・手段を導き出し、提案する。 - 実現可能なもので、お客様が一番安心・満足・便利・快適が得られると納得した手段・方法を実践する。
=お客様が納得した方法・手段で解決に向けての実践をする。
【クレーム対応1つの心構え】
- お客様を安心させる、笑顔・笑声・リラックス
- 笑顔・・・お客様をリラックスさせる、最高の笑顔
- 笑声・・・心から笑っているかのような明るい声
- リラックス・・緊張感を感じさせない、リラックスした雰囲気
お客様を安心させることが第一
これを一言でいうと、「クレームから、お客様の安心を作り出す」という事になります。
では、クレーム対応の基本をより詳しく見ていきましょう。
クレームの背景には、必ず不安・不満・不快・不便がある。(クレームの心理学を知る)
そもそも、人はなぜクレームをするのか、その心理を知っていた方が、クレームに対応するのに役に立ちます。
クレームをしているときのお客様の心理状態は、次のようなものです。
クレームをしているときのお客様の心理状態
- 安心したいのに、〇〇のおかげで安心できない
- 満足したいのに、〇〇のおかげで満足できない
- 便利でいたいのに、〇〇のおかげで便利でない
- 快適でいたいのに、〇〇のおかげで快適でない
この、不安、不満、不便、不快を、お前たちが何とかしろ~
平たく言えば、不安や不満を解消するための方法・手段として苦情(クレーム)を言うわけですね。
しかし、得てしてクレームは、感情的になります。その理由は、クレームの本質が不安・不満・不便・不快に起因しているからです。感情的になってしまうことで、理不尽で半ば強制的なコミュニケーション=クレームになることも多いのです。
なぜ、クレームは感情的になってしまうのか。
クレームが感情的になりやすいのは、不安・不満・不便・不快からくる「恐れ・怯え」を起原としているからです。
こう考えればわかりやすいかもしれません。
- 不安であることを恐れている
- 不安であることに怯えている。
- 不満であることに怯えている
- 不満になることを恐れている
- 不便になることに怯えている
- 不便になることを恐れている
- 不快になることを恐れている
- 不快になることに怯えている
不安や不満や不便や不快というのは、人にとってなりたくない感情です。ですから、これらの感情が少しでも芽生えれば、恐れや怯えの感情が生まれてしまうのです。また、恐れや怯えというのは、人には見られたくない感情でもあります。その為、恐れの感情や怯えの感情を隠すために、嫌み・皮肉・否定・批判・非難・攻撃・無視・無関心といった方法で自己正当化し、相手を「不愉快の心理(クレームの心理)」「不機嫌の心理」で攻撃するのです。要するに、言葉で攻撃するか、態度で攻撃するのです。クレームの場合、言葉での攻撃に態度での攻撃が絡まることが多いです。
不愉快の心理(クレームの心理)
不愉快の心理とは、言葉による攻撃です。
これは、まさしく、クレームそのものです。
クレームする人は、わざわざ優しく「こうしてほしい ああしてほしい」など言いません。不安や不快を露わにしつつ、自己正当しながら、責任転嫁し、クレームを続けるのです。しかも、その背景には、「クレームする人もどうしてもらったら自分が安心できるのか、分からない」ということがあります。
不機嫌の心理
不機嫌の心理とは、態度による攻撃です。
クレームしている方の表情がまさしくこれです。クレームをされる方は、言葉の攻撃をしながら、態度で攻撃することを織り交ぜます。
クレーム対応をする具体的な方法・手段
それでは、クレーム対応をするときの具体的な方法・手段について述べていきましょう。
既に、私たちは、以下のことを述べました。
クレーム対応の大基本
- お客様の不安・不満・不便・不快をしっかりと聴く
- どういう状態であれば、不安・不満・不便・不快が解消できるのか
- (どういう状態であれば、安心・満足・便利・快適といえるのか)
【クレーム対応4つのステップ】
- お客様の不安・不満・不便・不快をしっかりと聴きだす
=問題を明らかにする - どういう状態なら、不安・不満・不便・不快が解消され、安心・満足・便利・快適と言えるのか
=解決の到達点を導き出す - 解決するためには、どういう方法・手段が実現可能か?
=解決するのための方法・手段を導き出し、提案する。 - 実現可能なもので、お客様が一番安心・満足・便利・快適が得られると納得した手段・方法を実践する。
=お客様が納得した方法・手段で解決に向けての実践をする。
これは、簡単に言えば、キチンとお客様の不安・不満・不便・不快と向き合って、安心・満足・便利・快適へと導いていくプロセスがきちんとしていれば、クレーム対応は容易なのだという事です。
ですから、いまからこれについて、一つ一つ、しっかりと述べたいと思います。
クレーム対応の大基本
クレーム対応とは、言い換えれば、「クレームするお客様の不安・不満・不便・不満を整理すること」と言う事ができます。クレームしているときは、どのような不安があるのか、不満をもっているのか、明確に自覚できていないことがほとんどなのです。
しかし、不安・不満をお客様も含めてスッキリ整理することができれば、クレーム解決の道筋ができるのです。
ですから、不安・不満をしっかり聞き出し、どういう状態になれば、安心・満足できるのか、を明確にすることは、クレーム対応の基本となるのです。
お客様の不安・不満・不安・不快をしっかりと聴きだす(クレーム対応のカウンセリング)
クレームにおいては、その原因となる不安・不満・不便・不快をしっかりと聴きだすことが不可欠になってきます。
しかし、実際にはそれが難しく感じます。なぜなら・・・・
クレームは・・・・
言葉の攻撃(不愉快の心理)と態度での攻撃(不機嫌の心理)
で成り立つからです。そして、クレームは、
嫌み・皮肉・否定・非難・批判・無視・無関心
で構成されます。
なので、クレームは受け続けると冷静さを欠いてしまい、対応の仕方によっては、さらにトラブルに発展してしまう可能性があります。
キチンとクレームに対応するには、
- お客様を落ち着かせながら、(そ段活用+そういう○○【不安・不満・不便・不快】をお持ちだったのですね。)
- 質問をして。(さらに、どういう○○【不安・不満・不便・不快】をお感じになられていたのか、具体的に教えていただけませんか。)
- 解決策を提示し、一緒に考える
という事を繰り返していく必要があります。クレームを肯定し、不安・不満・不便・不快を明確にしていくことが必要だからです。
そ段活用(クレーム対応カウンセリング技術1 お客様の気持ちを落ち着かせる)
そ段活用について。
そ段活用とは、「そ」ではじまる、相手の言葉を肯定する会話の接続詞のことです。
そ段活用の例 | そうですね~ そういうことだよね そうかあ~ それはいいね そうなんだね それで? そうなの? そうか~ それもそうだよね それもありだよね そんなことがあったんだ そこそこ そこだね それ知らんかったわ それすごいね それでいいよ そういうときもあるよ |
要は、「そ」で始まる言葉で、相手の言葉を肯定し、受け入れます。クレームする方は「不安を受け入れてほしい」「不満を受け入れてほしい」と必死です。ですから、まず、「そ」で始まる言葉で、受け入れることが大事なのです。
そして、不安や不満を共感する言葉をいれます。
不安・不満・不便・不快に共感共鳴する言葉
- そういう不安があったのですね~
- そういう不満があったのですね~
- そういう不便なことがあったのですね~
- そういう不快なことがあったのですね~
この言葉をすぐに入れることで、クレームしている方の気持ちに共感共鳴するのです。
不安・不満・不快・不便を受け入れて共鳴することは、クレーム対応の中でも特に重要な技術です。
質問する(クレーム対応カウンセリング技術2 【不安・不満・不便・不快】を具体的に聞く)
そして、より具体的な【不安・不満・不便・不快】の内容を聞くための質問をします。これは、クレームに共感共鳴したからこそ、できる質問です。※クレームに共感共鳴できていない段階で、この質問をしても、効果はありません。
この質問は、具体的な解決策を導き出すために必要です。
【不安・不満・不便・不快】を具体的に聞く質問
- 具体的には、どういう不安だったのでしょうか? 教えていただけませんか?
- 具体的には、どういう不満だったのでしょうか? 教えていただけませんか?
- 具体的には、どういうところが不便だったのでしょうか? 教えていただけませんか?
- 具体的には、どういうところに不快を感じたのでしょうか? 教えていただけませんか?
ここで、出てきたお客様の具体的な不安・不満・不便・不快が、クレーム解決へと大きく前進させます。
また、この質問は、お客様が不安・不満・不便・不快に対して冷静・客観的になる機会を与えます。不安・不満・不便・不快に対する恐れや怯えから解き放つ質問にもなるのです。
解決策を提示し、一緒に考える(クレーム対応カウンセリング技術3)
いよいよ、最終局面です。
お客様の不安・不満・不便・不快を聞き出したら、次は解決策を提示する局面です。
しかし、一方的な解決策の提示ではなく、まず、お客様に安心・満足・便利・快適のイメージをつくる必要があります。そこで、次の質問が必要になってきます。
お客様が安心・満足・便利・快適のイメージをつくる質問
(不安・不満・不便・不快が明確になっているときに効果あり)
- では、どうなれば安心できる状態と言えますか?教えてください。
- では、どうなれば満足できる状態と言えますか?教えてください。
- では、どうなれば便利である状態と言えますか?教えてください。
- では、どうなれば快適である状態と言えますか?教えてください。
これは言い換えれば、不安・不満・不便・不快がどうなれば、解決できるのかを、お客様にイメージして答えていただく作業になります。
クレームに対する答えは、クレームを言うご本人しか持っていないのです。
不安・不満・不便・不快を冷静客観的に見れた時に、この質問はお客様に解決のイメージを与えることを容易にします。
そして、出てきた安心・満足・便利・快適のイメージに一番近いと解決案を提案していくのです。
まとめ
以上、パワハラ相談の実績から蓄積した、クレーム対応の基本についてお伝えしました。
つまりのところ、お客様の不安・不満・不便・不快をお聴きし、そこから解決策を見出していくのです。
この記事が多くのクレーム対応にお悩みの方の助けになればと思っています。
私たちは、クレーム対応の研修やコンサルティングも行っていますので、お悩みの企業さまは、是非、ご相談ください。
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