セクハラやパワハラの研修を、まとめてできないの?
ハラスメントの研修を行うとき、パワハラ・セクハラと分けて研修をおこなうべきなのか、それともまとめて行うべきなのか、迷うところです。ハラスメント防止の観点から、セクハラとパワハラの研修を分けた方が良いのか、述べます。
目次
基本的な防止措置は、セクハラもパワハラも同じ
ハラスメント防止法は、セクハラ防止もパワハラ防止も、同じハラスメント防止措置を取ることを求めています。具体的には、以下の措置です。
ハラスメント防止法により、企業に課せられているハラスメント防止措置
簡単に言えば、
- 就業規則に、ハラスメント防止を盛り込む
- ハラスメントの相談窓口を設置する
- ハラスメントの相談に対して、迅速に対応する。
- ハラスメントの相談に対して、改めて再発防止措置を講ずる
- 相談に対して、プライバシーに配慮し、不利益な取り扱いをしてはいけない
ということなのです。
ハラスメントで違うのは、それぞれの定義
当然のことながら、パワハラとセクハラでは定義が違います。
大まかには、「優越性(パワハラ)」「性的言動(セクハラ)」と分けることができます。
パワハラの定義
まず、パワハラの定義を見ていきましょう
職場において行われる
①優越的な関係を背景とした言動であって、
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
③労働者の就業環境が害されるものであり、
①から③までの3つの要素を全て満たすもの
ここでいう「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」とは、
・業務上明らかに必要性のない言動
・業務の目的を大きく逸脱した言動
・業務を遂行するための手段として不適当な言動
・当該行為の回数、行為者の数等、その態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える言動
というのが考えられます。
被害者が自死した例では、以下の言動がパワーハラスメントと認定されています。
セクハラの定義
セクハラの定義は、以下のようになります。
「職場」において行われる「労働者」の意に反する「性的な言動」により、労働者が労働条件について不利益を受けたり、就業環境が害されることをいいます。
セクハラのポイントは、「性的言動」であるのですが、大きく分けて
- 「性的な言葉」
- 「性的な行動」
に分けることができます。
事業主、上司、同僚に限らず、取引先、顧客、患者、学校における生徒なども行為者になり得ます。男性も女性も、行為者にも被害者にもなり得ます。
また、異性に対するものだけでなく、同性に対する性的な言動もセクシュアルハラスメントになります。
被害者の性的指向※1や性自認※2に関わらず、性的な言動はセクシュアルハラスメントに該当するのです。
むしろ、パワハラとセクハラは、まとめて研修を行うべき
私たちは、基本的にパワハラとセクハラは、まとめて研修した方が良いと考えています。理由としては、
- 法律で課せられている防止義務が同じ
- 定義別に説明する
- セクハラとパワハラの違いも知ることが必要
があるからです。別々に研修を行うと、かえって理解が薄まる可能性もあります。
再発防止研修の場合は、個別対応が必要なので、別々の研修にした方が良いかと思いますが、基本的には、まとめて研修をした方が良いと考えています。
私たちは、以下のように、セクハラもパワハラもまとめて研修を行うスタイルを基本としています。(ハラスメント防止研修のレジェメです)
私たちのハラスメント防止研修のレジェメ(スライド式で流れます。)
まとめ
パワハラにせよ、セクハラにせよ、大事なのは「教育」であり、ハラスメントが起こったら、「再発防止」することです。
私たちは、充実したハラスメント防止研修を用意していますので、一度、ご連絡いただければと思います。
以下のメールフォームからも、ご相談いただけます。
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また、私たちのハラスメント研修を動画として公開しております。参考に、ぜひご覧ください。