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医療 被ばくの実態がわかる記事

この記事は、忘備録用の記事です。NHKで以下のニュースが流れていました。

医師や看護師の被ばく 3割余りの医療機関で管理徹底されず | 医療 | NHKニュース

実は、今、被ばくに関するハラスメントで対応しています。

【引用はじめ】

医師や看護師の被ばく 3割余りの医療機関で管理徹底されず

2021年6月7日 11時38分 医療

全国の医療機関を対象に厚生労働省が初の被ばく管理の調査を行ったところ、通常、手術や検査の際に医師らが身につける線量計を3割余りの医療機関が必要な個数を配布していないなど医療現場の被ばく管理が徹底されていない実態が明らかになりました。

皮膚がんと診断された整形外科医の指

長年、手術や検査で放射線を使ってきた整形外科医の指です。皮膚がんと診断されました。

放射線は、患者の体を切らずに治療できるなどのメリットもありますが、繰り返し医療機器を使う医師や看護師の被ばくが問題になっています。

なぜ、被ばくしてしまうのか。理由のひとつに、検査などでの放射線の広がりがあります。

3割余りの医療機関 管理徹底されていない実態

医療が高度化して手術や検査で放射線を使う機会が増える中、医師や看護師の被ばくが問題となっていることから厚生労働省は全国8373の医療機関に管理体制について初めての調査を行い、6割余りから回答を得ました。

それによりますと、放射線を扱う手術や検査などの際、通常、胸や首元など体の2か所以上に線量計をつけることが法令で決まっていますが、調査で線量計を2個以上配布しているか確認したところ、33.3%の医療機関が必要な個数を配布していないことがわかりました。

また、線量計の適正な装着のために行う周知方法などを複数回答で尋ねたところ、21.0%が「周知などは行っていない」と回答しました。

さらに、通常は放射線を扱うエリアに入らない従事者が一時的に入る場合でも被ばく測定が必要ですが、こうした管理について複数回答で尋ねたところ、15.2%の医療機関が「管理していない」と答えました。

厚生労働省電離放射線労働者健康対策室の夏井智毅室長補佐は「被ばく管理の問題はかねてから指摘があったが、改めて課題が確認された。放射線を使った治療や検査のニーズは高まっており、管理の徹底に取り組みたい」と話しています。

医療従事者の被ばくについては、民間の線量測定機関の集計から国の行政指導の基準を超える被ばくをしている医療従事者が2019年度までの10年の年平均で260人余りに上っているとされるなど問題となっていて、専門家などから状況の正確な把握が必要だとする指摘があがっていました。

放射線の利用実態と対策

厚生労働省や専門家によりますと、体内を透視することができる放射線の利用は医療が高度化する中で、活用の機会が増えているといいます。

放射線科だけでなく、循環器内科、脳神経外科、整形外科など、さまざまな診療科で使われています。

こうした中、医師や看護師などの従事者は放射線を使う手術や検査を行う際に被ばくすることがあるのです。

例えば、胆管などの臓器を放射線で映し出して検査を行う際には、装置の上部からベッドで横になっている患者に放射線が当てられます。

放射線の広がりをイメージした図から患者に当たった放射線が部屋の中に拡散していることがわかります。

患者の周りに遮蔽するカーテンを設置しても、放射線は隙間から漏れ出し、近くにいる医師や看護師などの医療従事者は多少の被ばくを避けられないということです。

こうした医療従事者の被ばくの問題は厚生労働省も把握していて、近年、対策に乗り出していました。

例えば、昨年度は、医療機関が被ばく量を低減するためのめがねやカーテンなどを購入するにあたって、100万円を上限に費用の2分の1の補助金を出す事業を行いました。

また、全国400の医療機関を対象にしたオンラインによる研修を昨年度実施し、担当者に被ばく量低減の計画を立てて医療従事者への教育などを実施していくことの必要性を伝えたということです。

今回、初となる管理体制の調査から現場の実態がより正確に把握できたとして厚生労働省では今後も状況を把握するための調査を継続することにしています。

また、これまで行ってきた被ばくのリスクや対策の重要性を伝える研修にさらに力をいれ、管理体制の徹底をはかりたいとしています。

国の担当者は

今回まとまった厚生労働省の調査結果からは医療現場の被ばく管理体制の課題が浮き彫りになりました。

例えば、ほかの医療機関で働いた人を新たに雇用して放射線業務を行ってもらう場合、過去の被ばく量を確認することになっていますが、その把握方法を複数回答で尋ねたところ、15.7%が「把握していない」と回答しました。

厚生労働省電離放射線労働者健康対策室の夏井智毅室長補佐は「被ばく量の評価や測定は基本であり、3分の1の医療機関でできていなかったことは重大な結果だ。早急に改善をしてもらう必要がある。また、治療や検査の際、医療従事者が『めんどくさい』ことなどを理由に線量計を着けないといったことなどがないよう、医療機関の中で、管理体制をしっかりとつくることが必要になる」と話しています。

そのうえで「医療機関が点検して問題点を確認し、改善につなげるという経過を国としても把握するとともに、定期的に、状況が守られているか医療機関みずからが確認する機会を作っていく必要がある」と述べ、今後も調査を継続していくとしています。

専門家「引き続き、管理の徹底を求める取り組み必要」

被ばく管理の問題に詳しい産業医科大学の欅田尚樹教授は医療従事者の被ばくが恒常化している背景として、「医療の分野では患者のケアが優先され、被ばく管理はあまり実施されない状況が常態化し、それに疑問を持つことがないままこれまですぎてきたと思う」と話しています。

そして、国の調査結果については「今回、医療機関がどういったところを改善する必要があるのかが明確になった。こういう流れが次のステップにつながっていくと考えられ、今が転換期として重要な位置づけにある」と述べています。

また、今後については「厚生労働省は継続して注意喚起できるよう、アンケートなど調査を繰り返し医療機関は回答することによって『できていない』という認識を持って改善をしていく。これを繰り返していくことが求められていると思う」と述べ、引き続き、管理の徹底を医療機関に求める取り組みが欠かせないと強調しました。

医療従事者の被ばくの実態は

医療従事者の被ばくの問題はデータからも明らかになっています。

国のルールでは、全身の被ばく影響を表す「実効線量」という値で年間20ミリシーベルトを超えると、医療機関に対し国は行政指導を行うことになっています。

民間の線量測定機関4社が毎年度まとめている、医療従事者などの線量の集計データをみると、この基準値を超えた医療従事者が2019年度までの10年間の年平均で265.2人いました。

このうち、行政指導よりもさらに厳しい、法令違反となる50ミリシーベルトを超えた人は年平均で12.4人にのぼっていました。

医療現場の被ばくはこうしたデータよりもさらに深刻になっているとの指摘もあります。

今回、厚生労働省の調査から線量計が適切に医師らに配布されていないことなど不十分な管理の実態がわかりましたが、こうした管理体制の不備はほかの研究機関の報告からも明らかになっています。

産業医科大学の研究グループが去年行った1348人の医療従事者への抜き打ち調査では、6割の医師が線量計を装着していなかったことがわかりました。

専門家は、管理が徹底されていないことから、実際はデータよりも多くの医療従事者が被ばくをしているのではないかと指摘しています。

調査を行ったグループの1人産業医科大学の盛武敬准教授は「行政指導を受ける20ミリ超が年平均で200人以上という民間会社の集計結果は少ないといえる。線量の限度超えの人はもっといると思っている」と話しています。

【引用おわり】