セクハラを訴えるより前に、すべきことがある。
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目次
なかなか、口に出すことができないセクハラを、安心して相談するために必要なこと。
セクハラは、非常にナイーブである故に、実際に口にして、誰かに相談することが難しいものである、と個人相談の対応をしていて感じます。
それには原因があって、「気持ちを整理できない」「感じた不快感が渦巻いていて、感情に流される」ということがあります。特にセクハラは性的な部分が絡むので、不快感の渦巻き方は尋常ではなくなります。口にすることさえ、憚られるということです。
「訴える」とは、一種の復讐である
どのハラスメントでもそうですが、個人相談を受けていると、「訴えたい」「慰謝料とりたい」というご要望を伺うことが良くあります。この記事さえ、【セクハラ 訴える】という検索語で検索される方が一定数いるのが分かっているからこそ、書いています。
しかし、私たちは、いくらセクハラでひどい目に遭ったとしても、「訴える」ということは絶対に推奨しません。なぜなら、「訴える」は腹いせの正当化であり、復讐でしかないからです。
自分が味わった、何倍もの屈辱(不快感)を味わわせようとすることで、得た不安・怯えを克服しようとする。
だからこそ、「訴えてやる」「慰謝料とる」「謝罪させたい」というマインドに陥ると、復讐に固執し、相手を完全に屈服させるまで、安心しようとしない
実は、セクハラは、口に出した瞬間に、この腹いせの心理が発動する傾向が強くなると感じています。そのため、セクハラの相談は、キチンと整理立ててから行うことが必要です。
第1ステップは、時系列で整理する(セクハラ整理メモを作る)
セクハラを相談するために必要なもの・・・それは、セクハラ整理メモです。
口頭だけの相談というのは、相手に伝わりにくいデメリットがあります。ゆえに感情的になりがちです。
ですから、メモで、いつ、どこで、誰がどのようなことをしたのか、できるだけ詳しく、時系列で視覚化した方が、自分自身も心の整理がつきやすく、相談した人にもわかりやすいのです。
整理されたメモ書きは、相談した相手の理解を助けます。
また、時系列で整理したメモを作成することで、自分が抱いた感情を整理させ、落ち着かせる効果もあります。
どういう状況になれば、安心できるのかをまとめておくことで、解決点が見えてきます。
不安や怯え、場合によっては怒りを感じた相手との安心できる関係を想像することで、メンタルに受けたダメージを和らげる効果をもちます。
第2ステップは、親しい人にセクハラを相談しよう!
メモ書きで、受けてきたセクハラを整理できたら、誰かに相談しましょう。
しかし、その「誰か」は、誰でも良いわけではありません。
- 信頼できる親友・知人
- 家族
- 専門家(直接の知り合いで、相談できる人がいなかった場合のみ)
特に、信頼できる親友や知人から相談してみましょう。セクハラは、家族にも話しにくいものですが、本当に話せる!と思える人に、一番初めに相談するのが良いのです。だた、残念ながら、相談した人は親身になって話を聞いてくれないかもしれません。期待を裏切ることだってあるでしょう。そういう時は、話を聞いてくれる人に当たるまで、何度も相談してみてください。
実は、メモ書きを作ることのメリットはもう一つあります。目で読んで理解できるメモ書きは、周りの積極的な協力を引き起こす可能性が高いのです。
理解が進むことによって、代わりに動いてくれたり、人脈を使って、対応できるところを探してもらえることもあります。メモ書きをもって、セクハラを知人に相談したら、弁護士を紹介してもらえたり、セクハラに強い労働問題の専門家につないでもらえたりすることもあるのです。
整理メモ+あなたの困っている度が、本気を呼び、
親しい人の協力を呼び寄せます。
話を聞いてくれなくても、次に行けばよい
また、セクハラの整理メモをはじめに作っておくメリットは、もう一つあります。
話を聞いてくれない人に、いち早く見切りをつけることができるということです。
メモ書きを整理したということは、ある程度、気持ちの整理ができているわけですから、相談しても「私の気持ちをわかってない」「私の気持ちを分かろうとしない」人をいち早く見極めることができるのです。ですから、そういう人のアドバイスは聞く必要もないですし、早めに切り上げることも大切です。
大事なのは、話を聞いてもらえる親しい人に一度、話を聞いてもらうことです。
第3ステップ。セクハラ相談の本番は、会社のハラスメント相談窓口への相談!
そして、親しい人にセクハラの話を聞いてもらったら、勇気を出して会社のハラスメント相談窓口へ、相談しに行きましょう。
セクハラ防止法は、再発防止に関して、企業に以下のことを義務付けています。
- 再発防止(相談窓口の設置と、相談に対する適切な対応)
- 2 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
- ⑶ 相談窓口をあらかじめ定めること。
- ⑷ 相談窓口担当者が、内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。 また、広く相談に対応すること。
- 3 職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
- ⑸ 事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
- ⑹ 事実確認ができた場合には、速やかに被害者に対する配慮の措置を適正に行うこと。
- ⑺ 事実確認ができた場合には、行為者に対する措置を適正に行うこと。
- ⑻ 再発防止に向けた措置を講ずること。(事実が確認できなかった場合も同様)
- 2 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
これを簡単にまとめると・・・・
- 相談窓口を設置すること。
- 当事者以外の、誰の相談にも対応すること
- 目撃者の苦情や、社内の第3者などの相談にも対応すること
- ハラスメントの相談が寄せられたら、迅速に適正に対応すること
- 相談に対して、(ハラスメントの事実が認められなくても)、再発防止措置を講ずること!
- ハラスメントの事実が認められた場合(懲戒処分にならなくても、ハラスメント行為が疑わしいケースも含む)は、行為者、被害者に適正な対応を取る。
となります。わかりますか?
セクハラを会社の相談窓口に相談したら、会社は対応して、再発防止措置を講じなければならない。ということです。
ですから、セクハラは会社に相談する!というのが、解決のための基本になるのです。
まとめ:基本は、訴えるよりも、相談が第一優先
何事もそうですが、訴える!ということが先に立ってしまうと何も問題は解決しません。セクハラも同じです。相談して、心を落ち着かせることで、次の一歩が閃いてくるのです。
とは言っても、セクハラは相談することに勇気がいることです。ですから、一度、私たちに相談いただけると、良いアドバイスができると思います。
セクハラでお困りの方、是非、私たちにご相談ください。
以下のメールフォームからご相談ができます。