パワハラを訴えるのに、証拠が無いです。どうすれば良いですか?
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パワハラを解決したいとき、「証拠が無いから!」怖気づいてしまって行動できないこともあるのではないでしょうか?しかし、パワハラは証拠が無い状態から、証拠を作って解決することができるのです。私たちのパワハラ相談から得た解決の基本をここでは、お伝えします。
目次
証拠が無くても、パワハラは解決できる。
証拠って、何のために必要なのでしょうか? 多くの人は、「パワハラがあったことを証明するため」と思うのではないでしょうか? でも、それは非常に難しいのです。そもそも、パワハラがあったという証明が無ければ、パワハラは解決しない!という思い込みが、あなたを苦しめてしまうのです。
パワハラがあっても無くても、再発防止をし続けなければいけない!というのが、パワハラ防止法が企業に課している義務です。
つまり、実は、自分が遭ったパワハラをキチンと整理していれば、録音が無くても、パワハラは解決できるのです。極端な話をすれば、あなたが字を書く能力さえあれば、パワハラは解決する!という事なのです。どういうことか。
パワハラ証拠づくりのシンプル原則
- いつ・どこで・何をされたのか、時系列で分かりやすく、整理する。
- 文書で意思表示をシンプルに明示する。
実はこれさえできていれば、あとはどうにでもなるのです。パワハラ解決に録音はいらない!とまで私たちは思っています(あれば、あったで助かることもありますが)。
証拠が無い時に、パワハラを訴えるときの基本。
実は、私たちがパワハラを解決するうえで、重要視している民法の条文があります。それは、民法97条です。
民法97条
(意思表示の効力発生時期等)
第九十七条 意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
2 相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす。
3 意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、意思能力の喪失し、又は行為能力の制限を受けたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。
要するに、「意思表示」は相手に到達すれば、意思表示したという効力が発生する! という事です。この条文がとても重要なのは、文書で「パワハラを会社の責任でやめさせてください!」と会社に到達させれば、その瞬間に、会社は、パワハラ再発防止する義務が発生するのです。なので、まず、企業に課せられているパワハラ防止義務を知っておく必要があります。
会社に課せられている、パワハラ防止義務
パワハラ防止法が企業に課している義務は、以下のようになります。
ハラスメント防止法が企業に課しているハラスメント防止措置
- 未然防止(厳罰化と社内周知)
- 1 事業主の方針の明確化及びその周知・啓発
- ⑴ 職場におけるハラスメントの内容・ハラスメントがあって はならない旨の方針を明確化し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
- ⑵ ハラスメントの行為者については、厳正に対処する旨の方針・対処の内 容を就業規則等の文書に規定し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
- 1 事業主の方針の明確化及びその周知・啓発
- 再発防止(相談窓口の設置と、相談に対する適切な対応)
- 2 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
- ⑶ 相談窓口をあらかじめ定めること。
- ⑷ 相談窓口担当者が、内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。 また、広く相談に対応すること。
- 3 職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
- ⑸ 事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
- ⑹ 事実確認ができた場合には、速やかに被害者に対する配慮の措置を適正に行うこと。
- ⑺ 事実確認ができた場合には、行為者に対する措置を適正に行うこと。
- ⑻ 再発防止に向けた措置を講ずること。(事実が確認できなかった場合も同様)
- 2 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
この中から、相談窓口の部分を抜き出して、まとめると、以下のようになります。
- ハラスメント相談窓口を設ける
- ハラスメント相談に、迅速に適正に対応すること。
- ハラスメント相談に対して(ハラスメントの事実が認められなくても)、改めて再発防止措置を講じること
ということです。ここからもわかりますが、ハラスメント相談窓口は設置しなければならないものであり、 ハラスメントの相談が寄せられたら、必ず(改めて)再発防止措置を講じなければいけない!ということです。
つまり、民法97条+ハラスメント防止法で考えたら、「意思表示の文書」を戦略的に作って、会社側に到達させれば、証拠が無くても、証拠を作って、会社に再発防止措置を取らせることができる!という事なのです。
ですから、ゼロから証拠を作るための戦略立ては、以下のようになります。
パワハラの証拠をゼロから戦略的に作るための手順
まずは、パワハラに遭った時の対応の基本を述べましょう。
パワハラに遭った時の対応の基本
会社のパワハラ相談窓口に相談する
です。すでに述べたように、パワハラ防止法によって、会社のパワハラ相談窓口に相談したら、会社は再発防止措置を講じなければいけません。その枠組みを活用するのです。
しかし、会社のパワハラ相談窓口に適切に動いてもらうためには、相談内容と相談戦略をキチンと「整理」しておくことが大事です。
パワハラを会社の相談窓口に相談するため「整理」の基本
では、具体的に、「整理」をどのようにすればよいのでしょうか?
「パワハラ」整理、基本原則
第1原則:不愉快に感じたこと(いわゆるパワハラ行為だと感じたこと)を、まとめる。
パワハラだと感じた行為や、不愉快に感じたことなどを
- いつ、
- どこで、
- 誰に、
- どのようなことをされたのか、
を時系列でまとめること。
時間が思い出せない時は、「○○頃」といった感じでまとめるのも良いでしょう。
第2原則:誰かに相談したのであれば、まとめる
パワハラ行為で困っていることを誰かに相談したのであれば、
- いつ、
- どこで、
- 誰に、
- どのような相談をし、
- どのようなアドバイスや回答を貰ったのか
を時系列でまとめること。
※第1原則と一緒に時系列でまとめると、なおさら良い
※相談した事実が無ければ、無いでも良い
第3原則:時系列でまとめた内容の検討
- 第1原則と第2原則でまとめた内容と、
- それを補強する証拠群を整理し、
- それらから、パワハラ行為と、パワハラ行為以外の違法行為の可能性を検討し、
まとめること。
証拠とは、労働契約書・給与明細・就業規則・録音・メール・その他証拠となりえるもの全てを言います。パワハラ防止に関する規定などは、必ず人事に言って、書面として確保するようにしてください。
「パワハラ」と思って相談したら、別の法違反の可能性が見つかることも良くあります。
第4原則:相談戦略を策定し、実行する
- 到達点(どういう状態になれば、良しとするのか)を見出し、
- 第1原則、第2原則、第3原則から、どこに、どのように相談すれば、効果的なのかを検討し、
- 相談後のそれぞれの相談窓口の対応もあらかじめ予測しながら、
- 相談戦略を策定し、
社内へのパワハラ相談窓口への相談を実行すること。
基本的には、ハラスメントを解決するには、会社のハラスメント相談窓口に相談することが基本となります。
しかし、検討した結果、他の相談窓口も併用した方が良い場合(特に、他の法違反の可能性が高い場合)もあるので、その部分も検討する必要があるのです。
このように、遭ったことをキチンと整理だてておくことが大事なのです。
訴えるときに、絶対にやってはいけないこと。
私たちは、相談ポリシーというものを設けて、相談の基準を設けています。
基準の内容を以下、ここでも掲げます。
- 匿名不可 なるべく本名でお願いします。初回相談時は一定限度の仮名は大丈夫です。
- 在職中であり、継続して在職する意思を持つこと(退職後、退職予定は不可)
- 加害者に対する恨みに執着し続けないこと。(謝罪要求に固執したり、再発防止に取り組みことを拒否したりする等は不可.裁判所に提訴することを前提としている場合も同様)
- 加害者も含め、職場を改善していく!という意思を持つこと。
- 各ハラスメント防止法の枠組みの中で、改善をしていく意思を持つこと
なぜ、こういう基準を設けているかというと・・・・・・ 相手に対する恨みを晴らそうとする人が多いからです。例えば、典型的なのが、「慰謝料を求めたい!」「謝罪を求めたい!」です。しかし、これに固執すると、必ず失敗します。ここで公開しているノウハウは、とても論理的です。なので、慰謝料や謝罪を求めることにこだわると、論理が破綻し、正当性を失ってしまうのです。
まとめ
証拠が無くても、ハラスメントの再発防止を企業の責任としてさせることは、可能です。しかし、それを恨みの成就のためにすることは不適切です。
私たちは、ハラスメントのご相談に応じています。職場でのハラスメントでお悩みの方、是非、ご相談いただければと思います。
以下のフォームからご相談ください。