パワハラについて、労働局に助言や指導をしてもらうためには、どうすれば良いでしょうか?
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目次
パワハラで、労働局が助言・指導・勧告をする根拠が
「パワハラ防止法」によって与えられている。
まず、パワハラで、行政機関に対してどうにかしたい!ということであれば、知っておくべき知識があります。
労働局は、「パワハラ防止法(労働施策総合推進法 第9章)」によって、事業主に助言・指導・勧告する権限が与えられています。
(助言、指導及び勧告並びに公表)
第三十三条 厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、助言、指導又は勧告をすることができる。
2 厚生労働大臣は、第三十条の二第一項及び第二項(第三十条の五第二項及び第三十条の六第二項において準用する場合を含む。第三十五条及び第三十六条第一項において同じ。)の規定に違反している事業主に対し、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかつたときは、その旨を公表することができる。(権限の委任)
000611025.pdf (mhlw.go.jp) 労働施策総合推進法 より
第三十七条 この法律に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。
2 (略)
法律の文章だけだと、容易に理解しがたいところはあると思いますが、要はこの二つの条文で、「パワハラ防止措置について、労働局は事業主に、助言・指導・勧告ができますよ。勧告しても従わなかったら、それを公表することができますよ!」ということになるのです。
なので、パワハラに遭ってる!行政の力を借りたいがなんとかならんか?とお考えの方は、まず、このことを知っていただきたいと思います。
労働局とは?
では、労働局とは、どういうところでしょうか?
都道府県労働局(とどうふけんろうどうきょく、英称:Prefectural Labour Bureau)は、厚生労働省の地方支分部局の一つであり、全都道府県の地にそれぞれ設置されている。「都道府県労働局」という名称は法律上の総称であり、個別には「東京労働局」のように「都道府県の地名部分+労働局」が正式名称(ただし、北海道は「北海道労働局」)となっている。「都道府県労働局」という冠付きの総称のため都道府県(地方自治体)の機関であると誤解されることもあるが、あくまで国の出先機関であり、所属職員は国家公務員となっている。
都道府県労働局 - Wikipedia
つまり、厚生労働省が管轄している行政の仕事を都道府県別で担当している部局になります。
パワハラ防止法における。「助言と指導と勧告の違い」
また、労働局の行う、助言と指導と勧告の違いってなあに?と思う人もいると思います。実は、助言も指導も勧告も「行政指導」の一種です。
「行政指導」とは、一定の行政目的を達成するために、助言、指導、勧告等の非権力的な手段を行使することにより、国民を行政庁の意図する方向へ誘導する事実的行為のことをいいます。行政指導には、法的拘束力はありません。
- 「助言」とは、ある事項を進言することである
- 「指導」とは、助言よりも強く、ある事項を具体的に教え導くことである
- 「勧告」とは、指導よりも強く、ある事項について具体的な行動を取るように勧めることである。
しかし、これらの行政指導は、必ず「文書」をもって行われます。したがって法的拘束力がなくても、それに対して従わなければ、違法行為を行っている事実が形成されます。
だから、パワハラ防止法は労働局に助言・指導・勧告の権限を与え、企業がパワハラ防止措置を実行するようにしているのです。
パワハラの再発防止戦略として、労働局を活用するのはOK
では、具体的に何を労働局は指導するのでしょうか?
それは、パワハラ防止法にのっとって、適正にパワハラ防止措置を講じることです。
では、パワハラ防止措置とは、どういうことを言ってるのでしょうか?
以下の内容になります。
パワハラ防止法が企業・法人に義務付けること |
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事業主の方針の明確化及びその周知・啓発 ⑴ 職場におけるハラスメントの内容・ハラスメントがあって はならない旨の方針を明確化し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。 ⑵ ハラスメントの行為者については、厳正に対処する旨の方針・対処の内 容を就業規則等の文書に規定し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。 |
相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備 ⑶ 相談窓口をあらかじめ定めること。 ⑷ 相談窓口担当者が、内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。 また、広く相談に対応すること。 |
職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応 ⑸ 事実関係を迅速かつ正確に確認すること。 ⑹ 事実確認ができた場合には、速やかに被害者に対する配慮の措置を適正に行うこと。 ⑺ 事実確認ができた場合には、行為者に対する措置を適正に行うこと。 ⑻ 再発防止に向けた措置を講ずること。(事実が確認できなかった場合も同様) |
併せて講ずべき措置 ⑼相談者・⾏為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知すること ⑽事業主に相談したこと、事実関係の確認に協⼒したこと、都道府県労働局の援助制度の利⽤等を理由として解雇その他不利益な取扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発すること。 |
つまり、これらの措置を行うことに対して、労働局は助言したり、指導したりするのです。
労働局に助言や指導をさせる場合には、本人が申し出することが必要。
労働局に、パワハラ防止措置について、助言・指導してもらうためには、本人が申立てする必要があります。
申し立てから助言・指導の流れは以下のようになります。
労働局の助言や指導は、行政指導ですので、それなりに効果があるものです。
ですから、パワハラでお悩みの方は、労働局に助言・指導を申出ることも十分に検討されても良いと思います。
パワハラで労働局に助言・指導を申出るときの注意点
労働局に助言・指導を申出るときに注意すべき点があります。
労働局が助言・指導をやりやすいように資料を「整理」しておきましょう。
整理した資料を労働局の方に提供しましょう。
※ただし、原本は保管しておいてね
口頭で言っただけでは、労働局の方も事実を把握しにくいので、キチンと「紙(もしくは紙化できるデーター)」でパワハラ行為をキチンと整理しておく必要があります。
では、どういう事を整理すれば良いのでしょうか?
- パワハラ行為を「いつ、どこで、どのようなことを、だれにされたか」時系列で整理する。
- 誰かに相談した、会社のパワハラ相談窓口・人事・総務等に相談したなら、それを時系列で整理する。
簡単に言うと、何をされたか、解決の為にどういうアクションをしたか、会社はどういう対応をしたか、を分かりやすく見える化するという事です。この見える化ができるかどうかで、パワハラに打ち勝てるかどうかが決まります。
まとめ
パワーハラスメントにキチンと対応するには、労働局の活用ももちろんのことですが、一つ一つ整理して見える化しておくと、より前向きな解決に至りやすくなります。
パワハラでお悩みの方は、是非、私たちにご相談いただければと思います。
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