パワハラの心理ってどういうもの?
パワハラ相談(全国対応)
電話・メール無料窓口は以下から!
私たち職場環境改善工房は、以下のお電話でハラスメント相談を承っております。
基本は、10:00~18:00です。※但し、すぐに出られない時がありますので、その時は折り返します。
電話での相談はこちらから
また、メールフォームのご相談も、以下のボタンをクリックしてできます。
ちなみに、相談員のプロフィールは、こちらになります。
目次
パワハラする人の心理って、本当に不思議
会社にパワハラをし続けている人っていませんか? 場合によっては、何人も人をやめさせたりしている管理職・・だけど、会社に残り続けている! あ~あ。いやな奴だなあ、いなくなればいいのに~ でも、なぜか居続けるんだよなあと諦めて、できるだけ、そのハラスメントの刃が来ないようにしていることありませんか?
そもそも、どうしてパワハラする人って、パワハラをし続けるのでしょうか。不思議ではありませんか?
今回は、このパワハラをする人の心理について、触れたいと思います。
自分だけが優位に立とうとするハラスメントの心理の本質
パワハラしている人には、必ず溶け込んでいる心理があります。
- 自分だけが優位に立とうとする
- 相手の価値や存在を下げる
というものです。この特に「自分だけが優位に立とうとする」というのは、ストレス下において、自分にかかっているストレスを克服しようとして起こる心理です。そして、この心理は無意識無自覚です。つまり、ハラスメントをしている人には「ハラスメントをしている!」という自覚は、芽生えないのです。
なぜなら、このように考えることができるからです。
- 不安を無自覚に感じている⇒どのように不安であるか分からない⇒でも、不安は嫌だから克服しようとする⇒自分だけが不安を克服しよう⇒そのために相手の価値を下げる
基になっている不安が分からないまま、それを克服しようとして、ハラスメントをしてしまうのです。
不安を無自覚に感じていると、それが恐れや怯えとなって克服しようとします。しかし、もともとの原因が分からないので、無理やりに強制的に相手を説得することで、心理的安心感を得ようとするのです。
そのため、ハラスメントをする人間の内面は、以下のようになっています。
- 私正しい/あなたが悪い・・私が正しいことを証明するために、あなたがが悪いということを言い続けたりやり続けたりする。
- 私正しい/間違っているのはあなた・・私が正しいことを証明するために、あなたが間違っていることを言い続けたりやり続けたりする。
- 私悪くない/悪いのはあなた・・私が悪くないことを証明するために、悪いのはあなただということを言い続けたりやり続けたりする。
- 私間違っていない/間違っているのはあなた・・私が間違っていないことを証明するために、間違っているのはあなただということを言い続けたりやり続けたりする。
- 私間違っていない/私を否定するな・・私が間違っていないことを証明するために、私を否定するなということを言い続けたりやり続けたりする。
つまり、もともとの不安の原因が分からないまま、「自分が正しい」「自分悪くない」「自分間違っていない」の証明することで心の安定を得ようとするので、ハラスメントをする人間は、強制的なコミュニケーションを取らざるを得ないのです。
しかも厄介なのは、相手とのコミュニケーションを通じて自分だけが心の安定を保とうとするので、少しでも不快な感覚(原因がわからない)があると、ハラスメントをし続けるという特性が出てくるのです。
そして、ハラスメントをする側とされる側の心理は以下のような違いが出てきます。
- ハラスメントをする人の心理・・・・無理やり強制的に相手を説得することで、自分の気持ちを不快感情を克服しようとする。
- ハラスメントをされる側の心理・・・・無理やり強制的に自分を納得させることで、自分が得た不快感情を克服しようとする。
ハラスメントをする側がなぜ、それをやり続けるからは、既に述べました。
ハラスメントをされる側は、ハラスメント行為を受け入れることで、以下のようなコミュニケーションを取るのです。
そして、ハラスメントを受け続けているうちに自己否定感情が増幅していきます。
- 自分はまだまだできていない/私は足らない/もっと注目して
- 自分はまだまだダメです/できていない/できてると言って
- 私なんかダメです/やれてません できてません/もっと、かまって~
- 私なんかできてません/私に注目して/できてることを言わそうとする
- 私の方が淋しい/私に同情しろ/私をもっとかまって
問題なのは、ハラスメントを受ける人は、「自分はまだまだできていない」「自分はまだまだダメです」「私なんかできてません」などと思い、それを補うために「私は足らない」「できていない」「やれていない」「私に注目して!」と頑張って、ハラスメントをする人間との更なる関りを無意識無自覚に持とうとするのです。
自己否定感情の特性は、関わってくれる人に依存しようとするところです。否定的な言動であっても、他人と関わることで、少しでも自分で自分を否定する感情を克服しようとします(しかも、無意識無自覚に)。これは不思議に思うかもしれませんが。人間はコミュニケーションによって、心を安定させようとします。つまり、誰かに関わってもらう事で心を安定させようとするのですから、否定的なことをされたり、言われたりし続けても、結果的にハラスメントを受け続けてしまうのです。
しかし、否定的な言動を受け続けますから、やがて心が悲鳴を挙げ、メンタルに異常をきたしてしまうのです。
職場や組織においては、業務を遂行するために、どうしても上下関係が構築されてしまいます。職場のパワーハラスメントにおいては、業務上優位な立場の人の言動がパワーを持ちますので、それを受け入れざるを得ない環境が出てきます。そのため、パワハラを受け続けると、初めは妥協し、あきらめて、自己否定をするようになり、メンタルに悪影響が出てきてしまうのです。
そして、ハラスメントをする側も、ハラスメントをされる側も、その深層心理には、「何かに怯えている」という共通項があります。それは、値引きの心理というものです。
値引きの心理とは、自分や相手の価値を下げながら、自分だけが心理的優位に立とうとする心理のことです。。そして、この心理は無意識無自覚に行われます。
他者の価値をさげる他者否定感情から来る値引きの心理は、別名「ハラスメントをする心理」と言い、自分の価値を下げる自己否定感情からくる値引きの心理を、別名「ハラスメントをする心理」又は、「メンタル疾患になっていく心理」と私たちは名付けています。
では、ハラスメントをする人間と、ハラスメントをされる人間のコミュニケーションの取り方を見ていきましょう。
◆パワハラをしている人間のコミュニケーションの取り方と内面
- コミュニケーションの取り方
- 強制的 無理やり、頭ごなし、押し付ける、責める、諦めさせる、威圧する、怯えさせる、委縮させる、拒絶させる
- 怒る 怒鳴る 同情させる 混乱させる 罪悪感を持たせる 責任を押し付ける やって当たり前 当然だろう
- 内面・内心
- 拒絶 拒否 トラブル 裏切り 敵意 憎しみ 恨み 暴行
- 場合によっては・・・・だます、復讐
まさしく、これらのコミュニケーションは、「パワハラ」そのものです。
ハラスメントを受ける側の心理(コミュニケーションの取り方)
一方で、ハラスメントを受ける側の心理(コミュニケーションの取り方)は、こうなります。
- コミュニケーションの取り方
やってるふり やるふり やってるつもり しているつもり あ~あ、またか~ やっぱり~ どうせ~ 仕方がない まあいいか 諦め 妥協 やらされる 義務的 やらされ感 怒りでやる 拒絶感をもつ 嫌悪感を持つ ストレスがたまる - 内面・内心
仕方ないと自分に言い聞かせる 悩む 迷う 必要以上に何かを思い込ませる。グズグズする やらなきゃ! しなきゃ! 妥協 あきらめ イヤイヤする もういいや
ここには、相手に対する信頼感はありません。但し、相手に対する依存が生まれるので、メンタル疾患に追いやられるのです。
裁判でハラスメントと認められた言動から、ハラスメントの心理を見てみよう。
では、今まで述べてきたことを基に、パワハラと認められた言動(裁判例)を検討してみましょう。
ここで挙げているのは、一言一言がそれぞれ、「パワハラ」と認定された裁判例です。
これは被害者が自死にいたった事例なのですが、こういう言葉を毎日受けざるを得ない環境でした。
それでは、この言動とハラスメントする人間のコミュニケーションの取り方を、比較検討しましょう
裁判で「パワハラ」と認められた言動 | ハラスメントする人間の、コミュニケーションの取り方 |
---|---|
| |
こうやって並べてみると、被害者の方は、否定的なコミュニケーションを受け続け、精神的に追い詰められていったのが分かります。
自死に至ったという結果から見ても、こういう言動が積み重なると、受ける側は精神的に病み、追い詰められていくさまがわかるのです。
最後に(まとめ)
心理面からみても、ハラスメントは相手に依存することで心を満たそうとし、破壊的な結果を特性があります。
ハラスメントをする側も、される側も相手に依存していく・・・ここにハラスメントの本当の恐ろしさがあるのです。
無自覚のハラスメントにより、自分で自分を否定するマインドが生じ、メンタル疾患から、場合によっては自死に至ることまであるのです。
ですから、大事なのは、「これは、ハラスメントだ!」と気づき、声を出していくことなのです。
しかし、それをどのように解決に向けて動いて良いか分からない人もいるでしょう。
ですから、なおさらのこと、ハラスメント行為でお悩みの方は、私たちにご相談いただければと思います。
参考記事
パワハラ・セクハラへの対応の私たちの考え方は、こちらの記事も参照ください。